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選考理由
形態安定加工シャツは、20年近く前に世に出て以来、広く普及した。その性能としてのウォッシュアンドウエア性(W&W性)については、1~5級の判定のうち、業界基準で3.2級以上が合格基準であるが、その基準では、消費者から見ると必ずしも十分満足のいくものではなく、4級以上が望まれる。しかし、綿100%シャツについて、4級以上は不可能であった。その中で、2009年8月より販売が開始された日清紡テキスタイルのアポロコットシャツは、綿100%ありながら、洗濯後にアイロンがけをしなくても着用できるW&W性4級レベルの形態安定性能を有するシャツであり、大きなインパクトを与える製品である。
この製品の加工方法の技術は、樹脂剤を偏在化させずに、繊維内でのセルロース分子間の架橋を均一化させることで、高い形態安定性能を実現したものである。従来の技術を改良したものではあるが、様々な工夫によって、これまでは達成できていなかった性能を実現したことで、消費者にとって、時間も手間もかかる作業であるアイロンがけが不要となり、新たに消費生活の発展に寄与している。
以上のことから、日本繊維製品消費科学会 消費科学フロンティア賞に値すると認められ、ここに贈賞する。
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